タダより安いものはない~「予想どおりに不合理」読了~
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こんにちは。ろさぼーです。
今日は
「予想どおりに不合理」ダン・アリエリー著
について。
この本では,人間の行動経済学についての本です。
人間は誰しも合理的に行動すると思われていますが,
全くそうではなく,不合理に行動し,しかもそれは予想通りなのです。
理論的には,こう行動すればいいとわかっているのに,
周りに流されたり,思い込みを信じてしまったりと人間はどこまでも不合理な生き物です。
本著では,このような人間の不合理性に関して,
実際の実験結果とともに解説しています。
私もこの本を読んで,自分の行動に当てはまりますし,
自分がいかに不合理かということが分かりました(笑)
全15章で人間の不合理性について解説していますが,
特に私が共感した点について紹介したいと思います。
社会規範と市場規範
我々は社会規範と市場規範が支配する世界に住んでいます。
社会規範とは,例えば友人同士などの頼み事のことで,
見返りを求めずに他人に何かしてあげることです。
即座にお返しをする必要はなく,どちらもいい気分になるものです。
このように,社会規範は我々の社交性や共同体の潤滑油のようなものです。
一方,市場規範とは,モノやサービスを買ったときに
それに見合うものが手に入ることです。
社会規範と比べて数字で表されるため,シビアなやりとりです。
この市場規範と社会規範が別々に存在すればうまくいくのですが,
衝突すると問題が生じます。
アメリカでの例ですが,弁護士に1時間30ドルで困窮している退職者の相談に
乗ってくれないかと依頼を出したところ断られましたが,
無報酬で乗ってくれないかと依頼すると,圧倒的多数の弁護士が引き受けると答えたそうです。
これは,1時間30ドルというお金の話が出てくると
弁護士たちは市場規範を適用し,
この提示額では足りないと判断しました。
ところが,お金の話抜きで頼まれると,
市場規範を適用し,自分の時間を割くことを決めたのです。
このように,考えのなかに一旦市場規範が入り込むと,
社会規範が消えてしまうのです。
これは人々はお金より信条のために働くことを示しています。
この例は自分に当てはめて考えると,駅まで送ってもらったときに
現金として謝礼を渡すのではなく,昼ご飯をご馳走したりしていました。
お金で渡すと,価値をこちらが一方的に決めた気がしてよくないのかなと。
他にも,ヒッチハイクする人も
「〇〇円払います」
みたいに言ってるイメージはないような気がしますよね。
ゼロ円にすると需要が減る?
需要と価格の関係を調べるため,
チョコレートを用いて元々10セントで売っていたチョコレートを
5セント→1セント→0
に値下げしたときに需要はどうなったかを検証していました。
検証の結果,10セント→5セントに値下げした場合,需要が役2.4倍になり,
5セント→1セントに値下げしたところ,需要が10セント時の4倍になりました。
そして,10セント→ゼロにしたところ,
需要は増加せず,逆に10セント時より50%減少したそうです。
これは経済学で「右下がりの需要曲線」と呼ばれており,
値段が下がっても需要は増えずに逆に減るということです。
「タダより安いものはない」と言われますが,
実際タダにすると需要は下がるのです。
このように,やりとりに金銭が絡まないと,
必ず社会規範がついてまわるということです。
社会規範は他者の幸福を思い出させその結果,
利用できる資源に負担をかけすぎない程度まで消費を抑制させるのです。
直観的にこれは納得できるような気がします。
「ご自由にお取りください」と書かれていると,
後の人のことを考えて独り占めするのはよくないと思いますよね。
つまり,価格がゼロになると,共有物のような意識が芽生えるのではないかと思います。
最後に
本記事で紹介した例の他にも,
プラセボ効果(高い薬の方が効くきがする)や先入観にいかに自分の判断が左右されるか,
無料の魔力等について書かれています。
著者によると,
この本の重要な教訓を引き出すとしたら,
我々は自分がなんの力で動かされているか
ほとんどわかっていないゲームの駒であるということだ。
我々は大抵自分が最終的にコントロールしている考えるが,
実際は自分がどんな人間だと思いたいかによるところが大きい。
とのこと。
私もそうですが,自分が決断したと思っていても,
周りに流されていることは多いのではないのでしょうか?
この本では,そんな”人間の予想通りに不合理”な現実を知ることができると思います。
みなさんもぜひ。ではでは。
今日は
「予想どおりに不合理」ダン・アリエリー著
について。
この本では,人間の行動経済学についての本です。
人間は誰しも合理的に行動すると思われていますが,
全くそうではなく,不合理に行動し,しかもそれは予想通りなのです。
理論的には,こう行動すればいいとわかっているのに,
周りに流されたり,思い込みを信じてしまったりと人間はどこまでも不合理な生き物です。
本著では,このような人間の不合理性に関して,
実際の実験結果とともに解説しています。
私もこの本を読んで,自分の行動に当てはまりますし,
自分がいかに不合理かということが分かりました(笑)
全15章で人間の不合理性について解説していますが,
特に私が共感した点について紹介したいと思います。
社会規範と市場規範
我々は社会規範と市場規範が支配する世界に住んでいます。
社会規範とは,例えば友人同士などの頼み事のことで,
見返りを求めずに他人に何かしてあげることです。
即座にお返しをする必要はなく,どちらもいい気分になるものです。
このように,社会規範は我々の社交性や共同体の潤滑油のようなものです。
一方,市場規範とは,モノやサービスを買ったときに
それに見合うものが手に入ることです。
社会規範と比べて数字で表されるため,シビアなやりとりです。
この市場規範と社会規範が別々に存在すればうまくいくのですが,
衝突すると問題が生じます。
アメリカでの例ですが,弁護士に1時間30ドルで困窮している退職者の相談に
乗ってくれないかと依頼を出したところ断られましたが,
無報酬で乗ってくれないかと依頼すると,圧倒的多数の弁護士が引き受けると答えたそうです。
これは,1時間30ドルというお金の話が出てくると
弁護士たちは市場規範を適用し,
この提示額では足りないと判断しました。
ところが,お金の話抜きで頼まれると,
市場規範を適用し,自分の時間を割くことを決めたのです。
このように,考えのなかに一旦市場規範が入り込むと,
社会規範が消えてしまうのです。
これは人々はお金より信条のために働くことを示しています。
この例は自分に当てはめて考えると,駅まで送ってもらったときに
現金として謝礼を渡すのではなく,昼ご飯をご馳走したりしていました。
お金で渡すと,価値をこちらが一方的に決めた気がしてよくないのかなと。
他にも,ヒッチハイクする人も
「〇〇円払います」
みたいに言ってるイメージはないような気がしますよね。
ゼロ円にすると需要が減る?
需要と価格の関係を調べるため,
チョコレートを用いて元々10セントで売っていたチョコレートを
5セント→1セント→0
に値下げしたときに需要はどうなったかを検証していました。
検証の結果,10セント→5セントに値下げした場合,需要が役2.4倍になり,
5セント→1セントに値下げしたところ,需要が10セント時の4倍になりました。
そして,10セント→ゼロにしたところ,
需要は増加せず,逆に10セント時より50%減少したそうです。
これは経済学で「右下がりの需要曲線」と呼ばれており,
値段が下がっても需要は増えずに逆に減るということです。
「タダより安いものはない」と言われますが,
実際タダにすると需要は下がるのです。
このように,やりとりに金銭が絡まないと,
必ず社会規範がついてまわるということです。
社会規範は他者の幸福を思い出させその結果,
利用できる資源に負担をかけすぎない程度まで消費を抑制させるのです。
直観的にこれは納得できるような気がします。
「ご自由にお取りください」と書かれていると,
後の人のことを考えて独り占めするのはよくないと思いますよね。
つまり,価格がゼロになると,共有物のような意識が芽生えるのではないかと思います。
最後に
本記事で紹介した例の他にも,
プラセボ効果(高い薬の方が効くきがする)や先入観にいかに自分の判断が左右されるか,
無料の魔力等について書かれています。
著者によると,
この本の重要な教訓を引き出すとしたら,
我々は自分がなんの力で動かされているか
ほとんどわかっていないゲームの駒であるということだ。
我々は大抵自分が最終的にコントロールしている考えるが,
実際は自分がどんな人間だと思いたいかによるところが大きい。
とのこと。
私もそうですが,自分が決断したと思っていても,
周りに流されていることは多いのではないのでしょうか?
この本では,そんな”人間の予想通りに不合理”な現実を知ることができると思います。
みなさんもぜひ。ではでは。